新規オープンした観光酒蔵を訪ねて
苗場酒造(旧瀧澤酒造)は、明治40年(1907年)に新潟県津南町に創業された酒蔵。環境庁の名水百選に選ばれた「龍ヶ窪」のある津南町で、日本百名山「苗場山」の伏流水を仕込み水とし、以後100年以上の長きに渡り、主に魚沼地方で長年飲み愛され、地元を代表するいわゆる「地酒蔵」だ。その酒蔵がこのほど観光酒蔵としてリニューアル。
中々、酒蔵内部まで見せてくれる酒蔵が少ない中、ここは予約なしでいつでも見学自由にできるところがうれしい。見学は10~15分くらい。スタッフが親切に案内してくれる。
創業100年を超える酒蔵には木の酒樽をはじめ、歴史博物館でしかお目にかかれないような昔の酒造りの道具もたくさんある。一方観光酒蔵に改装するにあたり、品質の向上と安定も図った。それが新しい設備の導入だ。具体的には①麹室の温度調整機能②サーマルタンクの設置③いい酵母を安定的に供給できる協会酵母の存在だ。それによりより美味しいお酒が安定的に生産されるようになったのだ。
酒蔵の2階にある「津南蔵座敷」では昔ながらのお膳で宴会も楽しめる。このお膳は改装中に酒蔵から偶然発見されたものだ。その昔は杜氏が寝泊まりしたという大広間でいただくお膳料理の味はいかがなものだろう。
新保社長に話を聞いた。
“リニューアルに当たりロゴも一新しました。地元十日町市川西地区出身の書家平野壮弦さんにお願いして書いていただきました。36種類の中から選んだのですが、どれも素晴らしく館内に額にいれて飾っています”
“リニューアルした酒蔵では「日本酒文化の継承と創造」をコンセプトにしています。2階に設けた「津南蔵座敷」も日本酒文化を楽しむ場所として、四季折々の津南の高原野菜や山菜等をつまみに「蔵で飲む酒が一番うまい」を合言葉に日本の伝統文化でもあるお膳方式で食を提供します”
“また、若い人に気兼ねなく良い酒を飲んでもらいたいので、価格もできるだけ抑えました。一番初めに飲む酒が原因で日本酒を嫌いになってもらいたくないですから”
将来は雪室を作ったり、農業法人も立ち上げたいと語る新保社長。
まだまだ、この酒蔵は進化していきそうで、目が離せない。
苗場酒造株式会社
新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡戊555
TEL:025-765-2011
休日:水曜日/営業時間:9:00-17:00
http://www.naebasan.com/