「エコロッジからエコロッジへ」ロングトレイルの旅
歩きだけでなく、E-Bikeや鉄道での移動を組み合わせたSCTを楽しむツアー

作成: 日時: 2024年7月9日
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“エコロッジ”とは環境に配慮した運営を理念とした宿泊施設。自然環境を守りながら、快適な滞在を提供する宿泊施設として、近年注目を集めています。雪国観光圏にも12の宿泊施設がエコロッジとして「100年後も雪国であるために」という理念を実践しています。そのエコロッジを結ぶロングトレイルのコースを作成したスノーカントリートレイル(以下SCT)の事務局でもある仲丸さんにその魅力を語ってもらいました。

 

「もともと雪国観光圏をつなごうとSCTができて、エコロッジができて、その2つを結び付けたらどうかというお話をいただきました」ただ、距離が長い分、すべて歩きでというのは体力的にも、時間的にも大変。そこでJRの電車に乗ったり、E-Bike(電動自転車)を利用したりすることを考えたそうだ。「初心者の人でも、無理なく安全に、エコロッジとSCTの両方の良いところを楽しめるプランを考えました」

 

 

ツアー初日は、首都東京の水源でもある利根川と谷川岳の麓をE-Bikeでめぐります。みなかみ駅から谷川岳の絶壁がそびえる一ノ倉沢に向かい、雪渓から流れる雪解け水に触れたり、採取した水をマイボトルにいれて、飲んだりした。1泊目は谷川岳の麓の谷川温泉郷にある「旅館たにがわ」。旅館のスタッフからは近くの神社のいわれなど地域の歴史文化も教えてもらった。 

 

 

ツアーの2日目は、峠越えは大変なので、もぐらの駅で有名な土合駅からJR上越線に乗って小説「雪国」のように上越国境を越えます。湯沢町で下車した後はE-Bikeで地域の寺社に立ち寄りながら峠を越えて次のエコロッジ「ryugon」がある南魚沼市六日町の郷を目指します。「完全に車で移動すると見たり、立ち止まったりできませんが、自転車だと気になるものがあれば立ち止ったり、Uターンすることも可能で、歩きに近い感覚でトレイルを楽しめます」

 

3日目の早朝はryugonの裏にある坂戸山に登って、豊かな水が生み出す雲海や魚野川を眺めます。ryugonで温泉と朝食の時間をゆっくり過ごした後は、E-Bikeで寺社巡りへ。ツアーで訪れる龍谷寺や穴地十二大明神、西福寺には、日本のミケランジェロと呼ばれる石川雲蝶のダイナミックな彫刻が残されています。「体を動かす動的なアクティビティと寺社を巡る静的なアクティビティを交互に盛り込むことで、参加者には好評でした」

 

 

各地域で採取されたお水をマイボトルにいれて、ツアー中の飲料水として利用したり、ツアー料金の一部はトレイルの維持管理に役立てられということで、最近のサステナブルな旅行に敏感なインバウンドにも人気を呼びそうなプランである。

 

 


 

ガイドしてくれたのは
カッパCLUB 仲丸 潤さん

アウトドアガイド。東京都出身。群馬県みなかみ町在住。カッパCLUBでラフティングやキャニオニング、トレッキング、スノーシューなど四季を通してアドベンチャートラベルに携わる。スノーカントリートレイル実行委員会の事務局を担当。

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