さあ、雪まつりだ【婿の受難!?】
雪国の行事が冬に多いのはなぜだろう。年取り、正月、若木迎え、小正月、鳥追い、団子飾り、サイの神……春は山菜取りや田植え、夏は農作業、秋は稲刈りや冬への備えなど忙しいからか。それに比べて冬は膨大な静寂の時間が雪国にはある。また半年も雪に覆われる厳しい自然環境。冬の間、雪に囲まれた生活を楽しむ工夫なのか。そんな伝統的な雪国の祭りには、雪とともに生きる人々の想いが詰まっているにちがいない。
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さあ、雪まつりだ【婿の受難!?】 この記事
村の若い女性を取られた腹いせなのか、雪国には婿をいじめる行事も多い。雪の中にほおり投げられたり、燃え盛る藁の中にいぶせたり…。またムコにもいろいろな捉え方がある。婿入りのムコと、結婚したての新婿のムコ。子宝や子孫繁栄の祈りを込めた荒行を経てムコはムラの一員になっていく。
婿いぶし
大白川地区に伝わる小正月の伝統行事。さいの神で下の部分に空間を作り、そこで婿をいぶすための炭を準備し、夫婦に見立てたわら人形と共に婿を中に入れていぶります。いぶすことで無病息災や子孫繁栄を祈る全国的に見ても珍しい行事です。
最近行われたのは3年前になります。以前は150軒あった集落も現在は60軒余りになり、若手を含む後継者不足に危惧しています。「昔は人も沢山いて、毎年のように婿いぶしが行われていた。婿はもちろん成人を迎えた若者もいぶされ、周りにいる者たちに炭を塗り賑やかに行われていた。」と懐かしい様子で語る佐藤さん。以前のように賑やかな婿いぶしが出来る事を待ち望んでいるようだった。
雪中花水祝
猿田彦、天鈿女命、山伏、神官、還暦、雑色、巫女、新婿が衣装を着て町内をねり歩く。皇大神宮より新年初めに汲み取った若水を当日まで寝かせ御神水として婿に頭から掛け、子宝、夫婦和合を願います。
明治7年廃止以来、昭和63年に115年ぶりに復活され現在まで受け継がれているお祭り。花水とは御神水の中に虎杖(イタドリ)を入れるところから由来されたものらしい。
祭りへの想い
小さい時から見て親しんできたお祭り。新婿として妻を地域の方に紹介する事が出来、また自分も交流を深める事が出来る大変意義のある祭事です。水祝いの儀で若水を浴びせられる新婿は前年に結婚された男性ですが、現在は魚沼市出身の方や縁のある方でも参加できるようになりました。花水祝を地域の者としてこれからも受け継いで行きたいです。