【雪国A級グルメを訪ねて】150年前の庄屋屋敷で食べる魚沼の旬

作成: 日時: 2017年7月13日
食べたい

“雪国A級グルメ”とは、「気候風土にあった昔からの食が失われつつある中、その食文化を守り、次代に残して行こう」という雑誌「自遊人」編集長の岩佐十良氏の呼びかけに賛同した雪国観光圏内の旅館・ホテル、飲食店、そしてお土産などの生産者が応えて始まったプロジェクト。

食を通して、雪国の暮らしに出会う旅をご案内します。

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150年前の庄屋屋敷で食べる魚沼の旬

欅苑

欅苑への通じる道は長い。道路の脇の駐車場に車を停め、森の小路を通り抜けるとそこには大きな茅葺屋根の古民家が見えてきた。ここ魚沼でももはやあまり見かけなくなった立派な茅葺屋根だ。一瞬、タイムスリップしたような感覚に陥る。それもそのはず、古民家レストランと言うと、移築したり、内部の設えをモダンにしたりする場合も多いが、ここ欅苑は建物はもちろん周りの庭や林までも当時のままだということだ。建物の隣には店名の謂れともなった樹齢1,500年の“大屋のけやき”が威容を誇る。幹のまわりも数メートルありそうで、苔むしたその雰囲気からは神々しくさえ感じる。

欅苑はその昔、屋号“大屋”と呼ばれた庄屋だった。今でも土地面積4,000坪、敷地面積200坪の威容を誇るが、戦前はさぞ賑やかだったろう。大広間に入ると高い天井で内部もけやきの一枚板がふんだんに使われており、つや光りしている。

食事は5,000円と7,000円の2コースのみ。いずれも自家製の米と野菜を中心にした地元の食材で作った魚沼の田舎料理だ。旬を大切にしているそうで、春は山菜や岩魚、夏は夏野菜や鮎などが中心。女将さんが朝収穫した野菜は新鮮なのはもちろん、食材への火の入れ方が秀逸で、シャキシャキ感がより一層鮮度を感じさせる。あっさりとした、しかし、しっかりだしの効いた味付けも上品だ。“食べることで季節を感じることができる”とは、こういうことなのかと思う。

部屋数も多く、その当時は多くの若い衆やお手伝いの女中さんでさぞにぎやかであっただろうと想像する。50畳にもなる大広間で昔はいろいろな宴席が営まれたそうだ。窓越しに見える大欅を見ながら、そんな当時に思いを馳せた。昔ながらの雰囲気と味に心落ち着くひと時だ。

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

欅苑

 

欅苑
欅苑
住所 新潟県南魚沼市長森24
TEL 025-775-2419
URL http://www.keyakien.com/
営業時間 11:30~15:00(入店は13:00まで)、17:00~21:30(入店は19:30まで)
休日 不定休
要予約(完全予約制・前日までに電話にて予約)

 


真白き世界に隠された知恵と出会う”雪旅”

雪国ガストロノミーツーリズム

いろいろな場所を食べ歩くのもいいけれど、ときには目の前の一皿に向き合うのもいい。旅先でおいしいものに出会ったら、食材やそれを育てた人に思いを馳せてみる。風土や文化とつながる食のストーリーが、旅をもっと豊かにすることでしょう。