実際に行ってみた!雪国の名水オススメ7選 + おまけ

作成: 日時: 2016年7月5日
行きたい

名水って実際どうなの?凄い秘境にあったり、実は汲めない場所だったりするんじゃないの?と、割と疑問だらけなので実際に行ってみました。

 

1 夏の宝探し「雷神様の水」

雷神様の水

見つけにくいが、名酒八海山の仕込み水にも使われる程の水。雷神様の水の由来になった栃の木の場所はとても神聖な雰囲気が漂っていた。

 

 

2 地元の方に愛される力強い水「庚清水」

庚清水

味に少し特徴があり、爽やかさや、力強さを感じる。割と最近新潟の名水に認定された水だ。水量も多く、取水しやすいスポット。

 

 

3 驚く程透明な水と隠れた撮影スポット「龍ヶ窪」

龍ヶ窪

凄まじい透明度に驚き、SCF夏号の表紙の写真にも使用した名水場所。鳥なども多く撮影も楽しめる。水場の近で涼しく、木々に囲まれ陽射しもやさしい。マイナスイオンたっぷり。

 

 

4 まるでおとぎ話 こんこんと湧き出る水「北野天満温泉湧水」

北野天満温泉湧水

山の上流から流れてくる水ではなく、地面から凄い勢いで湧き出る水。隣の北野天満温泉のお料理でも楽しめる。お風呂上がりの一杯も味わうのが楽しみ。

 

 

5 パーキングのお楽しみ 人が途切れない取水場「谷川の六年水」

谷川の六年水

高速道路のパーキングという事もあり、人が途切れない名水場所。お茶やコーヒーにおすすめとの事。

 

 

6 メインはハイキング!大自然の中へ!「ブナのしずく」

ブナのしずく

谷川岳ベースプラザから約5キロほど歩いたところにある湧き水。ハイキング好きな人におすすめ。

 

 

7 名水生活を楽しめちゃう「大滝崎谷の水」

大滝崎谷の水

様々な場所から人が訪れる名水場所。もちろん近隣の方も訪れ、利用している。ご飯やコーヒーなど、水道水とは味が違うと複数人からお話を聞いた名水。

 

行きやすさはそれぞれ違うが、どこも取水可能で良い場所だった。scf本誌にはもう少し詳しく紹介しているので、気になる方はそちらもご覧頂きたい。

 

ここでは本誌には載せきれなかった、名水めぐりのおまけ話をもう少しご紹介。

 

 

庚清水の取材中に教えてもらった もう一つの湧き水。

十日町の庚清水を取材中にインタビューさせていただいたご夫人の方から、「名水の場所を取材してるんですか。それなら地元の人しか知らないもう一つの湧き水がありますよ。行ってみますか?」と、「かなばちの水」という場所を案内していただいた。本誌に載せていない取材場所である。

「昔からいる人の中では、庚清水よりこっちのが美味いと言う人もいましたねー」というかなばちの水は、非常に見つけにくい場所にあった。道路脇の小さな小川の奥でチョロチョロと水音を立てていたが、正直湯のみが無ければ近くでも分からなかったかもしれない。

庚清水 湯のみ

湯のみがちょっとシュール。

最近は使われているか分からないということで飲まずに撮影だけにしたのだが、ここも間違いなく人々が訪れ、喉を潤していた場所だったのだろう。広く名水と認定されてはいないが、人々に親しまれた小さな湧き水。「このかなばちの水のような場所はきっと沢山あるんだろうなあ。」そう思う取材場所であった。

 

 

「みなかみ町 ブナのしずく」名水と景色以外にも楽しさ沢山。

「通路が川になってるんだけど。」

ざっばぁー・・・・・。自分と隊員3号は湧き水を求めて歩いていたが、湧き過ぎである。これはブナのしずくの水ではないのだが、雨でもなく、暑い晴天の中この見た目はテンションが上がる。他にも、山から吹き下ろしてくる氷河のといきや、道中で見つけた空飛ぶ青虫、川でビールを冷やすテント泊のおじさんなど楽しい物や人に沢山出会えた谷川岳歩きだった。

ブナのしずく 道中

通路が川に・・・。

無事にブナのしずくの取水と撮影を済まし、Uターンして戻ってくると、スタート地点にある谷川山岳資料館でスタッフの方が「おかえりー」と声をかけてくれた。へとへとだったので休憩も兼ねて山岳資料館に入ってみると、1階には大人が乗っても大丈夫な熊の置物(なりきり金太郎アイテム付き)や、ピッケル、ザックなどの実際に使用された本格装備があり、八木原國明さんという方から装備の話や谷川岳の事など、色々話を聞く事が出来た。

谷川山岳資料館

谷川山岳資料館

谷川山岳資料館

実際に使用された本格装備など、見応えのあるものばかり。

八木原國明さん

八木原國明さん。気さくに色々な話をしてくださった。

2階には、エベレストの石や呪術っぽく飾られたドクロの杯、ククリ(小刀)型の瓶に入れられたお酒、カモシカなどの剥製、群馬県の冒険家矢島保次郎さんの資料などがあった。個人的に気に入ったのは、柱に飾られていた牛やヤギなどの首につけるベル。鳴らしてみると「カロン・コロン♪」というテレビでは聞いた事があったが初めて聞く牧歌的で優しい音が良かった。

帰りは「日本一のモグラ駅」といわれる土合駅の階段を堪能し、みなかみの温泉街で温泉を堪能して、帰路についた。

冊子のほうで、「名水の他にも、万年雪など素敵な景色を堪能できるスポットだ。」と紹介したのだが、景色の他にも周りには面白い物が多く、ハイキングやちょっとした旅行好きに、とてもお勧めできる場所なのである。

後日、山岳資料館で話をしていた八木原さんがエベレストにも登頂した日本登山家の大御所(現日本山岳協会会長)だと知って驚愕したのもよいお話。

 

 

「南魚沼市 大崎滝谷の水」あやうく企画倒れ。

各名水スポットはそれぞれ特徴がありそうな場所を選んで取材しに行っており、この大崎滝谷の水はインターネットで調べたところ、「県外の旅行者が、車無しでもバスで行けそう」と思って選んだ場所だった。

なので取水場の撮影をすませた後、畑にいたおばさまにバス停を聞いてみる。

「近くにバス停はありますか?」
「あっちに5〜10分くらい歩いたところにあるけど、どこに行きたいの?」
「scfという冊子に大崎滝谷の水を載せるのでバスでの行き方を調べようと思いまして」
「あっはっは、そっかそっかー。でもバスで来る人なんていないよ〜?」

とおっしゃる。うーん、コレはまずい。しかし、冊子にバスでの行き方を載せれば来る人もいるのでは。と思い、お礼を言い、教えられた方向へ歩いていく。大崎バス停に到着。到着して、取水にバスが使われない理由が分かった。

「2時間に1本か・・・・・!」

そりゃあ来ないわけである。観光スポットではないので、住民の方の足として足りれば良い本数しかないのだから。ということで、皆様車でお越しくださいませ。

大崎バス停

大崎バス停

ちなみに、ここで出会った方々は皆さんフレンドリーで取材にも協力的。撮影してもいいよと言ってくれて、冊子に載せさせていただいたご夫妻は「空気を入れないように水を詰めるのが長持ちさせるコツだな」とか「ここの水は虫が湧かない」などなど様々な事を教えてもらった。

他にも、撮影の為に水を飲むポーズをとってくれた仲良さそうな2人組の女性や、長岡の方にある名水の事などを教えてくれた埼玉から来たご家族、雰囲気が好きで来たんですと、雑談に応じてくれた母と娘の親子さんなど、沢山の方と和やかに話をさせていただいた。

大崎滝谷の水

「こうですか?こんな飲み方でいいですか?(笑)」

最初にバスで来れるスポットと紹介しようと思っていた場所だったが、帰る頃には「住民にみならず広域の多くの人に愛される場所」そして、「穏やかな人が沢山訪れる場所」と言うイメージのスポットに。

今思うと、取水口の龍の顔が一番親しみやすそう&ホースを加えた姿がとてもコミカルなのもイメージに拍車をかけているのかもしれない。

大崎滝谷の水 取水口の龍

コミカルでどこかかわいい龍の顔。

 

 

この他にも…

・雷電様の水を探す最中に、山奥で脱輪したあげく崖に落ちそうになる。
・龍ヶ窪から北野天満温泉湧水に向かう細く険しい山道でナビが故障するアクシデント。
・谷川岳PAで大量の取水をしていた方の写真を撮らせてもらうも、連絡がとれず載せられなかった失敗。
・十日町で大棟山美術館の入口にある柳清水という場所の取材中にカメラの電池が切れる。

などなど様々な愉快な事(大半失敗)があった。

 

冊子を読んで自分も行ってみようと思われる方がいたらとても嬉しい。あなたにもきっと楽しい名水の旅が待っているはずである。

 

 

※「かなばちの水」は現在使用されているかわかりませんので、地図上に場所を掲載しておりません。どうしても行ってみたいという方はお問い合わせ頂ければ場所をお伝え致します。

※全部の水を飲んで問題ありませんでしたが、雨の後などは水質が変わる場合もございます。ご自身の責任で飲水をお願い致します。