全国カレンダー展に入選した“雪国カレンダー”の制作者にインタビューしました。
雁木をモチーフにした“雪国カレンダー”。みなさんは目にしたことがあるだろうか。このカレンダーが第65回全国カレンダー展に入選した。
雪国の風物をつめこんだ雪国カレンダーに込めた思いとは?制作者である十日町市在住のデザイナー高橋彩乃さんに話をうかがった。
― まずは全国カレンダー展入選おめでとうございます。受賞の感想をお願いします。
カレンダーをつくるということがはじめてだったんで、いちから雪国をテーマに作っていって、自分でもちょっとどんなものができるか想像できなかったですけど、いろいろな人の力を借りて完成することができて。なにかしら賞をとれたらいいなとは思ってたんですけど、入選の知らせが届いたときはすごくうれしかったです。
― 今回カレンダーをつくるにあたって一番苦労した点はなんですか。
雪国に関連させるっていうのが一番大変で、雁木をテーマにしようと思ったんですけど、月ごとに何を置いていこうかというのが一番苦労しました。
1月から4月中旬くらいまでは雪が積もっているので雪を置いて。で、夏場になったら何を置こうかなという、特に5月、6月のような微妙な季節が一番悩みましたね。
― 逆に悩まなかった月は?
秋がいちばん最初に思いついて。柿が干してあって、大根が干してあるという、いつも目にしている光景だったんで、そこらへんがすぐ思いついて。9月はススキを置こうかなとか、トンボが飛んで、とか、すぐ思いつきました。
― 今回、雁木をモチーフにした理由はなんですか。
私も参加している雪国デザイン研究会の勉強会で、雪国ってどんなものがあるってみんなで意見を出し合ったときに、雁木の話題が出て。これは雪国しかないな、っていうのがあったんで雁木にしようと思いました。
雪国デザイン研究会とは、地域に暮らす人たち、特に情報発信に関わる人たちが集まって、“雪国らしさ”について学びながら、雪国のブランドデザインを考えようという勉強会です。
― 雁木については知ってましたか。
いえ、その勉強会で、ああそういえば、っていう感じでしたね。私が暮らす十日町市だと雁木っていうのがほとんどなくて、みんなアーケードになっちゃっていたんで。
で、牧之通りっていうのも聞いたことはあったんですけど、行ったことはなくて。調べてみてこれはおもしろいな、と。調べてみると季節によっていろんなものを置いているっていうのがわかって、それで、じゃあ季節ごとにモチーフを置いていったらおもしろいなって。
― 蛇腹にした理由は?
つながっている雰囲気を出したかったというのがあって。
めくるってカタチだとたぶんそれは伝わらないなっていうので、長く1枚でずらっと見せようと思ってたんですけど。折ったらおもしろいかなと思って。
― 雁木で蛇腹でっていうアイデアは早い段階で思いついたんですか。
そうですね。そこらへんまではパッと思いつきました。
そこから大きさとか、絵柄はどうしようっていう風に考えましたね。
大きさはすごく悩みました。はじめは6枚のカタチにしてたんですけど、これだとちょっと表現がしにくいなあっていうのもあり。じゃあもうちょっと大きくしようと思って、大きくもしたんですけど、あんまり大きくするとすごい長くなってしまって。なんかちょっといまいちだなってのがあって。
最終的にこのサイズにまとまったっていう感じです。
― イラストは自分で描いたんですか。
自分で描きました。
― このカレンダーをデザインをする上で大切にしたことはなんですか。
やっぱりカレンダーだったんで、カレンダーとして見てもらわないとな、というのはありました。
蛇腹にしたというのもあって、最終的に3パターン見れるようなカタチになったんですね。めくって見たりとか、広げるとか、あとは中央に寄せてつなげるとか。いろいろ楽しんでほしいですね。
― では、最後にひとことお願いします。
雪国ってやっぱり雪が多くてどんよりしてるっていう感じはあったりするんですけど、こういう雪国カレンダーっていうのをつくってみて、雪国でしか感じとれない季節の風景というのが楽しめる、雪国にはこういう顔もあるんだな、ということを感じました。
― それをカレンダーを手にしたみなさんにも感じてもらえるといいですね。
そうですね。裏面にも雪国についてのプチ紹介があるので、ぜひみてください。
【雪国カレンダー2014】
雪国の風景のひとつ雁木をモチーフにしたポケットカレンダー。それぞれの月には雪国の四季を表す情景が広がる。一個315円で文具館タキザワにて販売中です。(雪国カレンダーについてのお問合せは、滝沢印刷025-757-2191まで)
監修:雪国デザイン研究会
制作:滝沢印刷
デザイン:高橋彩乃(滝沢印刷)