<雪国撮影スポット探訪 vol.1>松之山美人林〜冬編〜

作成: 日時: 2014年2月11日
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四季の変化に富む雪国の風景たち。scf +では「雪国撮影スポット探訪」と題して、雪国観光圏内の撮影スポット、撮影地でのオススメのアングルや注意点、その題材に合わせたコツやテクニック、また周辺の観光スポットなどをご紹介していきます。

vol.1は十日町市松之山の“冬の”美人林です。

美人林を知るカメラマンであれば、ベストシーズンはやはり春と答えるでしょう。残雪が生み出す霧と新緑のコントラストは、本当に幻想的です(下の写真は以前、春に撮影したものです)。

美人林の成り立ちを知りたい方はこの記事もチェック!「年間10万人が訪れる美人林はなぜ生まれたか」

美人林(春)

Canon EOS 5DMk2|EF70-200mm F4L IS USM
0.3|F4.0|ISO 100|C-PLフィルター使用

しかし冬の美人林もまた美しいのです。以前から撮影する機会をうかがっていましたが、正月中の1月3日、天候条件がそこそこ揃ったので、まだ暗いうちから松之山に向かいました。狙っているカットがあるのです。

冬期間は美人林の駐車場は除雪されません。歩いて数分の距離なので、近隣施設の「森の学校キョロロ」に車を停めさせてもらいましょう。以前来た時は下の写真の交差点から道路が雪で埋もれていたのですが、今年は小雪のためか除雪されていました。

美人林へ向かう道路

 

先客の足跡が。猫かな?タヌキかな?

猫の足跡

 

入り口手前の杉林が見えてくる曲がり角まで来ると、雪が残っていました。しかし散策ルートらしき足跡があり、長靴であれば普通に歩ける状態です。

杉林が見える交差点

 

休憩所などの建物はしっかりと“冬囲い”され、雪に埋もれています。

トイレなどの建物

 

入り口手前の杉林。ここを抜けると美人林です。

杉林

 

杉林を抜けると、ほぼ期待していた通りの美しい風景が広がっていました。誰も聞いていないのに一人で「おお!」などと声を上げてみたりします。

美人林入り口付近

 

雪国では、前日の夜まで雪が降っていて次の朝晴れると、冬の枯れ枝に雪が残っていて、その様子を“雪の花が咲く”と言ったりします。前日の雪が小降りだったため満開とはいきませんが、それでも十分美しいです。

雪の花

 

曲がり角から続く散策ルートは林内をぐるっと巡るようにつけられているようでしたが、アングルを探るためにもスノーシューを装着し、そこから踏み出すことにします。ルートが埋もれている場合もあるので、こういった用具は必須です。ただし他にカメラマンがいる場合は特に、いたずらに足跡をつけないようにしましょう。まっさらな雪原が台無しになってしまいかねません。

スノーシュー

 

その他の注意点としては、雪の重みで枝が折れやすくなっているところがあるので、雪がぼんぼん降っているような日には、枝下に長居することは避けた方がいいかもしれません。また、池の脇などで高低差がある箇所は、雪庇が張り出していると地面の際がわかりにくいです。くれぐれも落下することのないようにしてください。

入り口から右に少し行ったところで三脚を据えていると、日が射してきました。林の奥に向かってカメラを構え、とりあえずパシャリ。

美人林(冬)日の出

Canon EOS 5DMk2|EF70-200mm F4L IS USM
1/50|F11|ISO 200|C-PLフィルター使用

このころになるとカメラマンが一人、二人と増えてきました。一人の方は新潟市からいらしたそうです。軽く挨拶を交わした後は、しばらく無言で日の出に向かってシャッターを切り続けます。

美人林(冬)日の出

Canon EOS 5DMk2|EF70-200mm F4L IS USM
1/13|F11|ISO 200|C-PLフィルター使用

日の出を撮影できる時間は長くありません。日の位置が上がってくると、今度は真上にカメラを向けます。スカッと抜けた青空に雪の花。このカットを狙っていたんです。白い枝が作り出す模様が、巨大な雪の結晶のようにも見えます。

美人林(冬)青空に映える雪の花

Canon EOS 5DMk2|EF17-40mm F4L USM
1/13|F11|ISO 200|C-PLフィルター使用

美人林(冬)青空に映える雪の花

Canon EOS 5DMk2|EF17-40mm F4L USM
1/15|F16|ISO 200|C-PLフィルター使用

しかし当日は少々雲が流れていました。取材でもあるため数カットだけ撮り別の場所に移動します。

池のほとりでパシャリ。美人林に来たら押さえておきたいカットです。水面は雪でほとんど覆われていました。

美人林(冬)池のほとりで

Canon EOS 5DMk2|EF17-40mm F4L USM
1/50|F11|ISO 200|C-PLフィルター使用

このころになると日の光で雪が溶かされ、枝からちらちらと雪が落ちてきます。この風景がまた美しいんです。当日は残念ながらうまく撮影できませんでしたが、この瞬間を狙って粘ってみるのもいいと思います。

美人林(冬)雪の花散る

Canon EOS 5DMk2|EF70-200mm F4L IS USM
1/500|F4.0|ISO 200|C-PLフィルター使用

美人林(冬)雪の花散る

Canon EOS 5DMk2|EF70-200mm F4L IS USM
1/250|F4.0|ISO 200|C-PLフィルター使用

10時くらいになると、雪の花もだいぶ解けてきます。入り口付近まで戻ってきて最後にパシャリ。順光の木々と影を、広角レンズでダイナミックに。この頃になると空の色も抜けてきますね。

美人林(冬)

Canon EOS 5DMk2|EF17-40mm F4L USM
1/80|F11|ISO 200|C-PLフィルター使用

さて、十分に撮影した後は、少々休憩しましょう。せっかくここまで来たのですから。

車で5分ほどの場所に、オススメの日帰り温泉施設「ナステビュウ湯の山」さんがあります。ここは、熱交換システムで温度を下げた濃度そのままの温泉です(露天から眺める風景は最高!)。また、女性用シャンプー・コンディショナーはなんと20種類も揃えていたり、コミック5,000冊が並ぶ「コミックコーナー」などのユニークなサービスも。もう少し奥に行けば松之山温泉郷もあります。

ナステビュウ湯の山

 

それにしても松之山は、車を走らせていて出会う風景がとにかく素晴らしいです。下の写真は「ナステビュウ湯の山」さんの駐車場からのスナップ写真ですが、終始こんな風景ばかり。山里を撮影しながら松之山を歩いてまわる、なんてこともしてみたいですね。

ナステビュウ湯の山の駐車場にて

 

ベストシーズンの春も、紅葉の秋も寒い季節です。撮影後は、冷えた体を松之山温泉で温めてはいかがでしょう。