オリンピックメダリストに聞く!「滑る」たのしさ
ソチオリンピック 銅メダリスト/プロスキーヤー 小野塚彩那さんに聞いた、育ててくれたふるさとのこと、「滑る」たのしさ、スキーの魅力。
―2歳の頃からスキーを始めたということですが‥
小さくて自分ではいつから始めたか記憶がないんですね。ジュニアのコーチでもある叔父や祖父、両親、それから勝田屋(彩那さんの母方の実家で、石打丸山スキー場の民宿)で働くバイトの人にも教えてもらいました。
―子供の頃は毎日スキーをしていたのですか?
小学、中学、高校生と冬の間はここ勝田屋に住んで、学校もここから通っていました。ここから石打丸山スキー場のゲレンデまでは30秒とかからないのでスキーをするには絶好の環境でした。小さいころ、夜暗くなるまでスキーを滑っていて家族が心配したこともあったそうです。もっとも私は騒ぎになっているとは知らず、平然と帰ってきましたが。
―ホームゲレンデである石打丸山スキー場の魅力って何ですか?
広いこと、長いコースがあること、そしてパークもあり、バラエティに富んでいるところですね。特に、晴れたに日は山頂から町全体が見渡せ、私がここに生まれて幸せを感じる瞬間です。
―試合や練習で外国のスキー場に行くこともあるかと思いますが、雪質の違いはありますか?
ここは湿った雪で積雪も多いですが、例えばアメリカなどは-20℃、-30℃なんてこともあるし、そんなに雪も降りません。でも、いろんな雪質を体験したことは、アルペン競技スキー、技術選、と活躍の場を変えて対応力がついたこと、人に教える経験等により対応力や自分で調整できる力の元となっています。
―スキー場や過ごし方の違いってありますか?
外国のスキー場はスケールやお金のかけ方が違いますね。パークのようなアトラクションも充実していますし。なにより“リゾート”という雰囲気です。スキーをする人も多く、ブーム期の日本みたいです。コンドミアム(キッチン付の長期滞在型ホテル)を長期間借りて、家族でゆっくり過ごす人が多いです。家族と過ごすことを大切にしています。ホテル、レストラン、バーそしてショップと無料シャトルバスまであります。
―ここ南魚沼の魅力ってなんですか?
食べ物では米と日本酒ですね。あと、温泉や登山。私は山登りもします。あと、関東からのアクセスもいいことです。
―小野塚選手と言うと、ソチオリンピックの銅メダルの要因一つとなったジャンプが有名ですが、どうしてジャンプがダイナミックにできるのですか?
ハーフパイプはスキーの回し方も重要ですが、スピードを落とさないことも重要です。私はスキーの技術や走らせ方を競技スキーや技術選を通して学んできたので、他の選手に比べてスキーのスピードを落とさずに走らせる技術に長けているようです。また、スキーのインストラクターも経験しているので、他人のスキーや自分のスキーも冷静に、客観的に見ることができます。
―現在も競技にトレーニングにと世界を回っていられますが、猛練習をされているんですか?
今の練習時間は1日2時間~4時間程度です。ただ、合宿や競技期間中はゲレンデを離れた時でも集中している感じです。そして、自分が何をやるべきかブレないことが大切です。また、後進のためにも私がレベルを落とさないことが大切だと考えています。
―スキーがうまくなるコツってありますか?
明確な目標を持つことです。漠然と練習しても上達はしません。何年後にどのようになりたいのか目標を明確に持つことが、日々の練習に集中できる元です。
―ソチオリンピックに出場し、銅メダルも獲得されたわけですが、夢を実現する秘訣をおしえてください。
口に出すことです。「オリンピックに出る」「メダルを取る」言い続けてたからこそできたことだと思います。
―最後にあなたにとって「滑る」とはなんですか?
人生です。生活の一部です。
小野塚彩那さん/プロフィール
新潟県南魚沼郡塩沢町(現南魚沼市)出身。2歳からアルペンスキーを始め、小学校3年には新潟県大会優勝。全日本学生スキー選手権大会優勝後競技スキーから、全日本スキー技術選手権大会など技術系スキーに軸足を移す。2011年よりフリースタイルスキーに転向し、2014年ソチオリンピックにて女子ハーフパイプにて3位となり、この種目では日本初のメダル獲得となる。
勝田屋
〒949-6372 新潟県南魚沼市石打1662
TEL:025-783-2065
http://www.katsutaya.jp/